Ruf  "Yellowbird" 1987 CTR prototype


Ruf は1981年にドイツ運輸省から自動車製造業の認可を受けた比較的新しい自動車メーカーです。Ruf の製造する CTR は 911 (930) Carrera 3.2をベースとするコンプリート・カーで、1987年に Road & Track 誌の主催する市販車最速を競うコンテストで当時フェラーリ F40のもつ 323km/hの記録を更新する 339.6km/hをたたき出し、世界最速の称号を手にし Ruf の名を世界に知らしめました。翌1988年トランスミッションを5速から6速に換えて臨んだ Auto Motor und Sports 誌のテストでは、最速と期待されていたポルシェ959の 339 km/hを凌ぐ  342km/hを記録して最高速度を更新、そしてニュルブルクリンク北コースでも 8分5秒でラップレコードを更新するなど CTR の高性能ぶりを伝える話題が続きました。

CTRのボディは一見すると普通の911と大差なく見えますが、ボディパネルはアルミで製作され、ヘッドライトレンズまで薄手のものを使用するなど、軽量化と空気抵抗軽減のための工夫が各所に施され、車重は 1,150 kg に抑えられています。搭載されるエンジンは、3.2リッターから 3.4リッターに拡大され、962と同じボッシュ製のインジェクションとツインターボにより 500馬力以上を発揮したと言われています。Road & Track 誌の1987年のコンテストでは、フェラーリ288GTO、AMGメルセデスSEC6.0 4V、ランボルギーニ・カウンタック、ポルシェ959などの競技参加車両が積載車で搬出入されるなか、この CTR はナンバー付きのままサーキットに自走でやって来て、最高速をたたき出した後に何事もなかったかのように自走して帰っていることからも、市販車として日常の使用に耐える堅牢さも兼ね備えていることがわかります。


この作品は、タミヤ(TAMIYA) 1/24 のポルシェ ターボを改造したものです。前後バンパーやフェンダーを中心に手を加え、内装にロールケージとバケットシートを追加、特徴あるリヤフェンダー上のインテークとホイールを自作し、イエローバードのニックネームが与えられた CTRプロトタイプに仕上げてみました。Ruf の テストドライバーであった Stefan Roser 氏がステアリングを握り、ニュルブルクリンクで撮影された CTR Yellowbird のテスト映像は何度見ても圧巻です。